球体とリズムBACK NUMBER
連続PK失敗より注目。神戸の充実と
フェルマーレンがJで学ぶ「驚き」。
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byGetty Images
posted2020/02/11 11:30
今季はリーグ、ACLとともにEUROも控えるフェルマーレン。イニエスタだけでなく世界屈指のCBのプレーも堪能したい。
勝利を細胞レベルで感じて。
それでもこの33歳の守護神や酒井、フェルマーレンらが昨夏に加入してから、守備の安定感は増し、結果も上向いている。
チームの成長について、飯倉は「失点したときに落ち込むことがなくなっている。やっぱり気持ちの部分が大きい。天皇杯決勝も今日も、最後まで体を張って得た勝利。それは頭だけじゃなくて、細胞レベルで感じることだから、戦術とかそういうものよりも大きいと思う」と説明した。
フェルマーレン「Jは簡単ではない」
守備のキーマンのひとり、現役ベルギー代表DFトーマス・フェルマーレンは、神戸のリーグ優勝の可能性を問われると次のように話した。
「この半年ほどで学んだのは、Jリーグではいつも驚きの結果が待っているということ。だから何よりも継続性が大事になる。守備面が向上して、常に一定のパフォーマンスを維持できるようになれば、自分たちにもチャンスはあるかもしれない。でも確かなことは何も言えない。今日の相手、横浜のようにクオリティーの高いチームはいくつかあり、自分たちも苦しめられた。Jリーグは簡単ではない」
一見すると豪華で派手なチームながら、ほとんどの選手たちが地に足のついた言動をする。今オフはドウグラスしか即戦力を補強しなかった平均年齢の高いチームが、国内外の戦いをいかに乗り切っていくのか。そこに一抹の不安は残るが、あるいは驚きのニューカマーの到来も……。
壮大な野望に向けて大いなる一歩を踏み出したヴィッセル神戸の楽しみな新シーズンが、もうすぐ幕を開ける。