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本田圭佑はボタフォゴの救世主か。
セードルフ級期待とファンの表裏。 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byGetty Images

posted2020/02/03 20:00

本田圭佑はボタフォゴの救世主か。セードルフ級期待とファンの表裏。<Number Web> photograph by Getty Images

自身7カ国目の挑戦はサッカー王国ブラジル。本田圭佑らしい選択だけに、ぜひ活躍を見せてほしい。

セードルフのような存在になるか。

 今季のボタフォゴのフォーメーションは、現時点では4-4-2。当面、両サイドのMFかセカンド・ストライカーのポジションを争うことになりそうだ。

 競争相手の1人は、ホッフェンハイム(ドイツ)から期限付き移籍している技巧派レフティのブルーノ・ナザリオ(24)。州選手権ですでに2得点を記録している。またエクアドル代表MFガブリエル・コルテス(24)の期限付き移籍も決まった。

 ボタフォゴのファンが本田に期待するのは、2012年途中に36歳で入団し、2013年末まで在籍した元オランダ代表MFクラレンス・セードルフのような役割だろう。

 夫人がカリオカ(リオっ子)ということもあってリオの町とクラブにすぐに溶け込み、攻守の要としてチームを牽引。2013年のリオ州選手権優勝の立役者となり、ブラジルリーグでもチームを上位に押し上げてファンから非常に愛された。

プレーによっては簡単に手の平返し。

 ボタフォゴのファンが本田獲得を熱望したのは事実だが、この国のファンは選手のプレーによってはいとも簡単に手の平を返す。

 本田が日本のフットボール史上最高の選手の1人であることは、彼らにとって何ら関係がない。重要なのは、今後、彼がボタフォゴの勝利に貢献してくれるかどうか。

 もし本田が期待を裏切れば、ボタフォゴのファンは手厳しく批判し、他クラブのファンは嘲笑するだろう。本田自身も、それがわかったうえでこの選択をしたはずだ。

 入団決定後、地元メディアには「チームの攻撃の中心としての働きが期待できる」という好意的な評価がある一方で、「すでにピークは過ぎた。近年、フィジカル能力の低下が目立つ」といった厳しい見方もある。

 これまで日本、オランダ、ロシア、イタリア、メキシコ、オーストラリアでプレーしてきた本田が、自身7カ国目となるこのフットボール王国でも確かな足跡を残せるかどうか。そして、自身が目標に掲げる東京五輪出場を果たし、さらにはメダル獲得に貢献できるかどうか。

 地球の反対側で、「有言実行」をモットーとする男の新たな挑戦が始まる。

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