熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
本田圭佑はボタフォゴの救世主か。
セードルフ級期待とファンの表裏。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2020/02/03 20:00
自身7カ国目の挑戦はサッカー王国ブラジル。本田圭佑らしい選択だけに、ぜひ活躍を見せてほしい。
昨季は低調、ファンは失望と怒り。
ブラジルリーグでは、1968年(当時の大会呼称は「タッサ・ブラジル」)と1995年の二度、優勝しているが、南米クラブ王者の座を争うコパ・リベルタドーレスを制覇したことはない。
リオの4大クラブの中で、国際大会、ブラジルリーグ、コパ・ド・ブラジル、州選手権のすべてにおいて優勝回数が最少もしくは最少タイである。
昨年のブラジルリーグの成績も、20チーム中15位。フラメンゴがコパ・リベルタドーレス、ブラジルリーグ、州選手権の3冠を達成しただけに、ファンの失望と怒りは大きかった。
それゆえ、「今年こそは」という期待が、地球の反対側からやってくる男にかけられている。
五輪までのアピールは20試合くらい。
この国のシーズンは、1月末から12月初めまで。
南米レベルの大会としてコパ・リベルタドーレス(欧州のチャンピオンズリーグに相当)とコパ・スダメリカーナ(欧州のヨーロッパリーグに相当)があるが、昨年、ボタフォゴは不振だったのでこの両大会には参加できない。
1月中旬から5月初めまでリオ州選手権が行われ、2月5日にコパ・ド・ブラジル(国内唯一のカップ戦)が始まり、5月初めにブラジルリーグが開幕する。
今年、本田がボタフォゴで出場可能なのはこの国内3大会だけだ。
東京五輪のオーバーエージ枠での出場を目指すが、メンバー発表が6月下旬とすると、ブラジルリーグの第9節くらいまで。今後、本田が五輪代表の森保一監督にアピールできるのは20試合前後となりそうだ。
この原稿を書いている2月初めの時点で、ボタフォゴはリオ州選手権(前期)で3勝2敗。次戦は2月9日のフルミネンセ戦で、舞台はブラジルのフットボールの聖地マラカナン・スタジアムだ。最速なら、このダービーマッチが本田のデビュー戦となる。