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「火中の栗」と言われても……。
卓球界の偉人がテコンドー協会会長へ。 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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posted2020/02/02 09:00

「火中の栗」と言われても……。卓球界の偉人がテコンドー協会会長へ。<Number Web> photograph by Koji Fuse

木村興治氏は元トップアスリートの面影残す情熱家。ちなみに、協会副会長にはBリーグにてクラブの会長職を務める島田慎二氏が就任した。

「テコンドーのどこが面白いのか。そこを追求」

 テコンドーへの理解を深めてもらうために、わかりやすくルールや試合の見方を解説したパンフレットなどの制作や試合会場での実況解説の実施も思案中。いずれも他のスポーツではすでにやっていることなので、そういう面でもテコンドーは大きく立ち遅れていたことになる。

「もっと世間にテコンドーをわかりやすく解説できるような状況を作らないといけない。卓球でもテレビ中継とは別に会場で解説を聞ける小型の機械を貸し出して、専門家に解説してもらっています。そうすることで、テコンドーの面白さが少しずつ広がっていくのではないかと期待しています」

 2月9日には、岐阜県羽島市で「2020東京オリンピック日本代表選手 最終選考会」が開かれる。「卓球と比べ、テコンドーのどこが面白いのか。そこを追求していきたい。まだそこまでの答えを僕は持っていないので、自分の中で温め発酵させて自分なりの感想を出したい」

 79歳とは思えぬ活力を感じさせる名伯楽のスポーツの心によって、“アスリートファースト”とはかけ離れた世界を構築していた日本のテコンドーは大きく変わるのか。

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