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ユーベ加入決定の19歳クルセフスキ。
スウェーデンの超新星はどんな選手?
text by
神尾光臣Mitsuomi Kamio
photograph byGetty Images
posted2020/02/01 20:30
ネドベド副会長(右)同席のもと、契約をかわしたクルゼフスキ。ユーべに新たな力が加わるが、本人はパルマへの愛情を隠さない。
アタランタが16歳にして惚れ込んだ。
2000年4月25日、ストックホルム生まれ。北マケドニアにルーツを持つスウェーデン人だ。先にサッカーをしていた4歳年上の姉の影響でチームに加入し、国内では優秀な育成部門を備えるブロマポイカルナで技を磨いた。
もともとはDFだったが、ポジションを上げて攻撃的MFとしてプレーするようになると急激な成長を遂げる。ブロマポイカルナでは、年代別のチームを2つ掛け持ちして存在感を示していたという。
そして2016年の夏、国際的な注目を浴びることとなる。
アタランタの下部組織が同地に遠征して参加した大会で、スカウトに発見されたのだ。スカウト主任だったマウリツィオ・コスタンツィは、その才能に惚れ込んでクラブに獲得を要請。途中アーセナルなどの横槍も入るが、アタランタは16歳の選手にしては破格と言える10万ユーロもの移籍金を払い、イタリアに連れてきた。
その後クルセフスキはアタランタで順調に育ち、プリマベーラの全国選手権では優勝に貢献した。迎えた昨年1月、遂にトップチームでデビューを果たす。とはいえクラブは、将来性を見込んで他クラブへレンタル移籍させ、そこでのさらなる成長を望んだ。
1試合で4点に関与するほどの存在感。
移籍加入したパルマでも、すぐにロベルト・ダベルサ監督から高い評価を受ける。本来のポジションはトップ下だが、4-3-3の右ウイングとして開幕スタメンを勝ち取った。
第2節のウディネーゼ戦では、懐の深いボールキープからジェルビーニョにスルーパスを供給して得点をお膳立て。さらに、正確なクロスで逆転ゴールもアシストした。第6節のトリノ戦ではセリエA初ゴールを記録。9月終了時点で1得点3アシスト。4得点に関与した働きは、20歳以下の選手としては欧州最高の成績だった。
第8節のジェノア戦では、まさに試合を支配する活躍を見せる。正確なパスでユライ・クツカの先制ゴールをアシストしたプレーに始まり、自らボールを奪ってからドリブルでゴール前に一気に進入してチーム3点目の起点に。その後、1ゴールをアシスト。さらに豪快なスピードのドリブルで縦を破り、チーム5点目をねじ込んだ。
結局、5-1で大勝したチームで4点に関与。絶大な存在感を披露した。