ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
トルシエが一刀両断したサウジ戦。
「攻撃面は何もなかった。ゼロだ」
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byJFA/AFLO
posted2020/01/10 20:00
マンチェスター・シティへの完全移籍後、スコットランドのハーツへレンタル移籍されている食野亮太郎。この試合で、トルシエが唯一評価した選手である。
「日本の本来の力の30%しか発揮できていなかった」
「今日は他のスタジアムでシリアの試合もあったのか?」
――カタールと引き分けました。2対2で終えました。
「第2戦はメンタルと戦略が重要になる。よりスピーディに、プロフォンダーを生かして。前への圧力を強めて攻撃を活性化させる。戦略を修正して、もっと前への圧力を強めていけば問題は解決できる。意識をもっと前に持ち、もう少しスピーディにプレーする。ボールをより速く敵の深いエリアで操るようにする。個のプレーをもっと増やしていく。個で崩すことをもっと試みる……。
今日はすべてが足りなかった。日本の本来の力の30%しか発揮できていなかった、と思う。個の部分を欠いていた。それを発揮していたのは食野だけだった。彼だけは個の力で違いを作り出そうとしていたが、他は誰もがまるで駄目だった」
――よくわかりました。メルシー、フィリップ。
「次は日曜か?」
――そうです。確認して連絡します。明日はベトナム代表の試合があります。
「ああ、私も見る」
――昨日の、西野監督が指揮するタイ代表の試合は見ましたか?
「いや、見れなかった」
――タイが素晴らしかったです。
「とても攻撃的だったと聞いたが」
――ええ、まるで日本を見ているような見事なパスでした。
「ではそういうことで(笑)。また日曜に!」
――メルシー、フィリップ。