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レイズが筒香嘉智に提示した好条件。
2年13億円に「リーダー」の期待も。
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2019/12/29 08:00
レイズでも「25」を背負う筒香。その長打力だけでなく、日本球界で記録した通算出塁率.382も評価された。
「自然なリーダーとして見ていた」
実際、エリック・ニアンダーGMは得点源としてだけでなく、チームの看板選手としての期待を口にした。
「野球の技量だけでなく、彼を自然なリーダーとして見てきた。彼はどんな背景を持つ選手ともいいチームメイトになれる。それが我々の文化には重要で、我々のクラブハウスの中で大事なことだと思う」
カリフォルニア州南部で筒香の練習を視察し、電話会見を含め、何度となくコミュニケーションを取ったケビン・キャッシュ監督は、「勝つために君の力が必要なんだ」と熱心に口説き文句を繰り返した。あまりの熱意に、筒香が「レイズに入らなかったら、キャッシュ監督が夢に出てきそうだったから」と冗談を飛ばすほどだった。
極端な守備シフトを多用し、「オープナー」の先駆者としても知られるキャッシュ監督は「我々はヨシ(筒香)が打てることは分かっているし、彼が中軸を打ってくれることを大いに期待している。彼らしく、そしてリーダーとしてやってほしい」と、早くも打線の核として指名した。
内外野&DH、打順も2~5番想定。
戦略的には、相手投手次第で守備位置を左翼、三塁、DHで回すほか、打順は2~5番の上位打線で起用する方針を明かした。
2019年のレイズはワイルドカードゲームで勝ち上がったものの、ディビジョン・シリーズでアストロズに惜敗。防御率3.65とリーグ1位の投手力を持つ一方、得点力不足に泣いただけに、決定力と高い出塁率を持つ筒香への期待は極めて高い。
同地区には、ヤンキース、レッドソックスと強力なライバルが居並ぶ。
「レイズで試合に出て、早く1勝をする瞬間を迎えたいと思います」
横浜で叶えられなかった頂点へ――。
2020年。ハマの大砲と呼ばれた筒香が、フロリダ州タンパから次の夢へのスタートを切る。