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レイズが筒香嘉智に提示した好条件。
2年13億円に「リーダー」の期待も。
posted2019/12/29 08:00
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
その胸の内は、おそらく心躍るというよりも、身が引き締まる思いだったに違いない。
DeNAからポスティング制度を利用してメジャー移籍を目指していた筒香嘉智外野手がタンパベイ・レイズと正式契約を結び、12月17日(日本時間18日)、本拠地トロピカーナ・フィールド内で入団会見を行った。
ベイスターズ時代と同じ背番号「25」のユニホームに袖を通した筒香は、時折、照れ笑いを浮かべつつも、緊張気味に率直な思いを口にした。
「的確な表現が分からないですけど、素直にうれしいというか、そういう思いです。ただ、ホッとしているという感覚はないです」
2年総額で約13億円の評価額。
幼い頃からの夢を叶えた喜び以上に、大きな期待を感じたからこそ、筒香は表情を緩めつつも、慎重に言葉をつなげた。
「勉強しにきたわけではないので、僕自身としてはレイズの勝利に100%の力を出し切る、というそれだけです」
勉強しにきたわけではなく、チームが勝つために結果を残す――。
確かに、いち野球選手としては、未知のチャレンジかもしれない。ただ、筒香の感覚は、うれしいだけでもなく、ホッともしていなかった。
事前の予想を上回る好条件こそ、期待の表れだった。
2年総額1200万ドル(約13億2000万円)は、今オフの外野手市場ではある程度の実績を残した中堅クラスの評価額に相当する。レイズ側が、まだ実績のない「新人」としてではなく、レギュラーとして筒香に白羽の矢を立てた証だった。