プロ野球亭日乗BACK NUMBER
韓国の「マウンドに太極旗」と同じ?
スポーツの応援に旭日旗は必要なのか。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNanae Suzuki
posted2019/11/22 15:00
世界一になり、外野席に挨拶をする侍ジャパンナイン。ほとんどのファンは日の丸で応援していた。
AFCとIOCの解釈の違い。
旭日旗を巡る解釈に、日本と韓国の間で大きな差異があるのは現実である。
そうした背景があるなか、スポーツの世界では2011年のサッカーアジア大会で韓国人選手のゴール後の猿マネが問題となった際に、その選手がスタンドの旭日旗を理由にあげたことからクローズアップされることになった。
国際サッカー連盟(FIFA)は「攻撃的、挑発的な内容の横断幕や旗」を掲げることを禁止し、2017年に川崎フロンターレのサポーターが韓国のチームとの試合で旭日旗を掲げた際には、アジアサッカー連盟(AFC)が、旭日旗を「国家の起源や政治的意見を表明する差別的なシンボルを伴う旗」と認定し、フロンターレに罰金などの制裁を課した。フロンターレ側は「旭日旗に政治的、差別的な意図はない」として上訴したが、退けられている。
一方で韓国が2020年の東京五輪で会場への旭日旗の持ち込み禁止を国際オリンピック委員会(IOC)に要請したが「競技会場は、あらゆる政治活動と無縁であるべきだ。大会で懸念が出た際は、ケース・バイ・ケースで対応する」と拒否されている。
プレミア12でも不問になったが……。
今回の「プレミア12」大会でのKBOの抗議も、WBSCは「現在紛争状態ではなく、国際オリンピック委員会でも禁止していない事項で制限できない」と声明を発表し、不問とすることが決まった。
要はサッカー以外の五輪競技、野球の国際大会では、旭日旗の試合会場への持ち込み、掲揚はルールとしては禁じられていないということだ。
ならば旭日旗の持ち込みも問題ないということになるのか? だとすればあのWBCでの韓国人選手たちの振る舞いも、ルール違反ではないならば許される行為ということになってしまうのだろうか?
断っておくが、ここで書きたいのは旭日旗に対するそれぞれの解釈でも国際試合における禁止項目でもない。スポーツの応援とはどういうもので、旭日旗をわざわざ掲げることが、応援に必要なことなのかということだ。