プロ野球亭日乗BACK NUMBER
韓国の「マウンドに太極旗」と同じ?
スポーツの応援に旭日旗は必要なのか。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNanae Suzuki
posted2019/11/22 15:00
世界一になり、外野席に挨拶をする侍ジャパンナイン。ほとんどのファンは日の丸で応援していた。
あのときの韓国の選手と同じではないか。
そして侍ジャパンが集う旗は、旭日旗ではなく日の丸だということも忘れてはならない。
選手たちのユニフォームの左胸についているのは日の丸で、応援のシンボルとして打ち振るう旗は日の丸で十分である。そこに敢えて旭日旗を持ち込むことに何の意味があるのか。
もしスポーツの場に政治的な意味を持ち込もうとするなら、とんでもない行為である。あるいはそうやって相手を挑発し喧嘩をふっかけるような行為が勇ましいと勘違いする幼稚なヒロイズムならば、あのときの韓国の選手たちと同じではないか。それはむしろ恥ずべきことと自覚すべきである。
連覇がならなかった韓国ナインは、試合が終わると三塁ベンチ前に整列してスタンドの声援に感謝の一礼をしてベンチを引きあげて行った。
グッドルーザーがいるからグッドウイナーもいる。ルールで禁止されていなくても、もっと根本にはスポーツマン(ウーマン)シップがあるはずだ。それはプレーヤーだけではない。スタンドで観戦するファンにも、当然、求められるスポーツの基本精神である。
だから野球だけではない。スポーツの祭典である東京五輪でも、旭日旗の会場への持ち込みには反対である。もしスポーツの現場に旭日旗を持ち込むことを考えている人がいるとしたら、そんなことはかっこ悪いと自覚するべきである。