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<井上尚弥 応援インタビュー>
森川ジョージ「漫画で描いたらボツになるよ」 

text by

生島洋介

生島洋介Yosuke Ikushima

PROFILE

photograph byIchisei Hiramatsu

posted2019/11/18 15:00

<井上尚弥 応援インタビュー>森川ジョージ「漫画で描いたらボツになるよ」<Number Web> photograph by Ichisei Hiramatsu
今夏、米リング誌の表紙を飾った“モンスター”のイラストが話題になった。描いたのは『はじめの一歩』作者の森川氏。40年ボクシングを観た眼に映る井上の凄さとは。

 井上尚弥は日本の歴史上、一番すごいボクサー。それは間違いない。これまで辰吉丈一郎が出てきたときも、長谷川穂積も、山中慎介も、こんなボクサー見たことないって思いました。これ以上は出てこないだろうとも。でもいま、間違いなく彼が史上最高峰だと思います。

 最初に衝撃を受けたのは2戦目のガオプラチャン戦。ベテランのタイ人がこの若造めって感じに振り回してきたんですが、井上くんはバックステップしながら左フックで仕留めてしまった。これ、メキシカンがよくやる技術ではあるんです。でも下がりながらカウンターを打てる日本人はまずいないし、重心が後ろに掛かったはずのその一発でKOなんてありえない。死んだんじゃないかっていうダウンを見て、ああ、この人は特別なんだって確信しました。その後は、4戦目の田口良一くんを含めて、世界チャンピオン経験者とばかりやっているのに、あの衝撃がずっと更新されてますよね。こんなボクサーいないですよ。

 ナルバエス戦が決まったときは、さすがにまずいんじゃないかと思いました。大橋秀行会長は相当自信があって、強いやつとやるべきだと言っていた。会長自身も現役時代にそうやってきて、いまも海外で「お前はリカルド・ロペスと戦ったのか」って言われるのが誇りだと。この世界では強いやつとやることが重要で、たとえ負けても名を残せるし、勝てばすごいことになる。肝が座っているなと思いましたけど、同じくジムの会長として、ぼくにあのマッチメイクはできません。それだけのチャンピオンです。それが2ラウンドであのKOですからね。本当にびっくりしました。「いまのジャブだよね?」って。2階級上げた井上くんのパンチってこういうことなのか、同階級では耐えられないと思いました。

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