酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
台湾vs.韓国、NPB外国人も多数参戦。
プレミア12は日本以外もぜひ注目を。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKoh Hiroo
posted2019/11/10 20:00
台中駅に飾られていたプレミア12の看板。台湾では野球が大人気スポーツなのだ。
王柏融が7番を打つ台湾打線。
侍ジャパンは初戦のベネズエラ戦で大苦戦したが、8回になんとか逆転すると桃園国際野球場の客席では、日本選手のユニフォームを着た台湾のファンが大歓声を挙げていた。
今年の台湾チームの売りは「打線」だ。
今季のCPBLの首位打者・林立(Lamigo)や、岳東華(中信)、王威晨(中信)など20代の活きの良い打者が出てきている。林立は、プエルトリコとの初戦の1回に先制ホームランを打った身体能力の高い中距離打者だ。なおLamigoは来季から楽天傘下となるため、彼の姿を日本で見る日は意外に近いかもしれない。
今季から日本ハムでプレーしている王柏融も参戦しているが、ちょっと元気がない。王は「大王」と呼ばれるなど台湾最大のスターだったが、今年のプレミア12では7番を打っている。
現地の記者は「日本のいい投手と対戦して、打撃が小さくなった。フルスイングをもっと見たい」と語っていた。ただ最終戦の日本戦で2安打したことは大きく報じられた。
CPBLは、極端な打高投低だ。国内の投手はあまりよくない。しかし、海外から若くて優秀な投手が参戦している。1戦目はクリーブランド・インディアンス傘下のAAAで投げる江少慶が好投した。
2戦目はオリックスにいる張奕が7回無失点。ベネズエラに攻め込まれながらもなんとか逃げ切った。張奕は、台湾の英雄、陽岱鋼(巨人)のいとこ。育成で入団し外野手から投手に転向した苦労人。ベネズエラ戦は台湾全土で放映されていた。彼はスターダムに登るかもしれない。
台湾はオープニングラウンド最終戦で日本に敗れた。スーパーラウンドは0勝1敗からのスタートとなる。日本と再び対戦することができるだろうか。
韓国の左腕エース金廣鉉が復活。
スーパーラウンド、日本や台湾にとってアジア勢最大のライバルは韓国だ。
馴染みのある名前は金廣鉉(SKワイバーンズ)だろう。北京オリンピックの準決勝で日本が完敗した韓国の左腕エースである。
ひじの故障などで以後不振が続いていたが、昨年見事に立ち直り、今季も活躍した。筆者は今年9月、インチョン球場で金廣鉉の投球を見たが、30歳を過ぎて大エースの貫禄だった。
日本は柳賢振(現ドジャース、今回は出場せず)、金など韓国の左腕には痛い目に合っている。今回も要警戒だ。