ラグビーPRESSBACK NUMBER
跳躍マピンピ、ハカを見るファレル。
モノクロームで味わう楕円球の世界。
posted2019/11/08 20:30
text by
涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph by
David Ramos / World Rugby via Getty Images
決勝戦でイングランドを圧倒した南アフリカが、12年ぶり3度目の優勝を飾り、幕を閉じたラグビーワールドカップ。日本代表が敗れた後の戦いも、国内のテレビ中継は高視聴率を記録し、スタジアムは満員になるなど、世界最高峰の戦いは「にわかファン」を含む日本人を魅了した。
大いに盛り上がった大会を日本で取材を続けてきた、海外メディアのジャーナリストやフォトグラファーは、ベスト4以降の4試合をどのようにとらえたのだろうか?
NumberWebでは大会期間中、世界的なフォトエージェンシーであるGetty Images(ゲッティイメージズ)が撮影した膨大な写真の中から、カメラマンがセレクトした作品を紹介。試合をもっとも近くで見ているフォトグラファーが心を動かされた瞬間や、テレビ画面からは伝わらない大会の盛り上がりを伝えていく。
短期集中連載第4回のカメラマンは、デイビッド・ラモス氏だ。ラモス氏がチョイスしたのは自身が撮影した写真の中から、モノクロームで表現をしたもの。どれも選手たちの心情を、見事に浮かび上がらせている。
選手がピッチに臨む、特別な瞬間。
10月26日 横浜国際総合競技場
準決勝/イングランドvs.ニュージーランド
今大会ではピッチのそばだけでなく、誰も入ることができない特別な場所に入ることが許されていた。だからこそ、我々は唯一無二の写真を配信することができるのだ。イングランドとオールブラックスの準決勝が始まる前、ある階段に狙いを定めた。そこは光の具合や視点の点で撮影をするのに絶好の場所だったので、イングランドの選手がハーフタイム後に歩いて上がってくるのを待つことにした。
そして彼らが階段を上りはじめ、キャプテンのオーウェン・ファレルが彼の後につづくチームメンバーを振り返って見たとき、私は非常に幸運だと思った。