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松中信彦が四国独立リーグの監督に。
平成唯一の三冠王が語る「僕の使命」。
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph byDaiki Tanaka
posted2019/10/30 19:00
松中はホークス一筋19年のプロ野球生活で通算352本塁打。2004年には三冠王に輝いた。
各選手の癖や修正すべきことをメモに。
「せっかく現場に行くんだから、選手1人ひとりをしっかりと見たいと思いました。スタッフに紙とペンをもらい、各選手の癖や修正すべきこと、また生かすべき特徴を記して、1人ひとりに渡してもらったんです」
五輪やWBCも経験し、日本球界を代表するスラッガーだった松中が独立リーグの現場で、全力で各選手と向き合っていた。
この姿を知った香川のオーナーが、すぐにでも松中に会いたいと福岡まで訪れ、そして、9月下旬にはGM兼総監督・松中信彦の就任が決まったのだ。
チーム運営も任される立場。
ただ、今回は監督だけでなく、GMもセットでのオファー。現場に立ちながら、選手獲得などのチーム編成やスポンサーとのやり取りも兼ねたチーム運営も任される立場を引き受けたのだ。
「大役ですよね。すべての責任が問われる立場。正直、難しいと思います。けれどNPBにいたという経験と、様々な方との繋がりを最大限生かして、NPBの観点を積極的に取り入れて、この大役に立ち向かいたい」
就任を発表した今秋から来年2月までは、GMとしてチーム編成と経営に没頭する。スポンサー獲得、資金調達のため、松中自らが香川を駆け巡る。そしてチーム編成においては新たに15人近くの選手を獲得する構想だ。
「ドラフトも見て、トライアウトの現場にも初めて行く。投手5人、野手7人くらいは欲しい。そして、外国人選手を1人、獲得したい。2月のスプリングトレーニングに実際に行ってメジャーから3A、2Aに落ちてきた選手を獲りに行こうと考えています」
今、最も意識しているのは時間の使い方、自らのタイムマネージメントだと松中は語る。GM業に使う時間と、監督業に使う時間。もしかすると現役時代より、遥かに多忙を極めるオフになるかもしれない。