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ジャパンの南ア攻略法は存在する。
三たび、歴史的な夜にならんことを。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byNaoya Sanuki
posted2019/10/19 11:50
W杯前の親善試合で日本は南アに完敗した。それは認めたうえで、準々決勝がどうなるかは全く別の話である。
南アの戦術はすでに割れている。
一方、南アフリカは、「攻めない」という戦略を変える必要はないだろう。
キックで陣地を進め、敵陣22mに入ってのスクラム、ラインアウトを起点にすれば、局地戦で優位に立てる。
センターラインを中心としたエリアでは、コンテストキックを蹴って、福岡堅樹、松島幸太朗を消耗させる。
ある意味で、予測はつきやすい。
ただし、9月の時点で彼らは日本と再戦するというイメージは持っていなかっただろう。日本との対戦成績を五分にするべく、日本攻略のレシピは開陳してしまったと私は見る。
そこに日本のチャンスがある。
「勝つのは無理」だと全く思わない幸せ。
ここまで書いてきて、南アフリカに対して「勝つのは無理だろう」という気持ちが欠片もないことに自分で驚いている。
どうやったら、スプリングボクスに勝てるのか。
こんな思いを抱けるのは、どれだけ幸せなことなのか、今の今まで知らなかった。
Have a good game!
三たび、歴史的な夜にならんことを。