濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
ヒョードル出場に2大タイトル戦。
年末格闘技は“歴史と正攻法”に期待!
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph bySusumu Nagao
posted2019/10/21 15:00
10月9日、ホテル雅叙園にて行われた記者会見場の様子。ヒョードルは、日本でのラストマッチになる、と宣言した。
「RIZINのトップ選手をベラトールのケージに」
29日のベラトール、大晦日のRIZIN両大会で、2団体の対抗戦も実施される予定だ。
出場メンバーについては「RIZINのトップ選手を、あえてベラトールのケージに入れたい」と榊原CEO。6月のニューヨーク大会には堀口恭司とRENAを派遣したが、今回は日本にいながら、選手たちを“世界デビュー”させようというわけだ。
キックボクシングの試合も行なうイベントだけに、ベラトールは那須川天心にも(当然ながら)興味があるようだ。加えて榊原CEOは「天心以外のキックボクサーもベラトールから世界進出のチャンスが広がる」と言う。
堀口とのリマッチ前に朝倉が戦慄のアピール!
ADVERTISEMENT
10月12日には、台風19号が接近する中でエディオンアリーナ大阪大会が開催された。この大会の結果を受け、大晦日のカードとして正式にアナウンスされたのが、堀口恭司vs.朝倉海。8月大会におけるスーパー・アップセットの再戦である。
下馬評を覆してRIZIN、ベラトール2冠王の堀口をノックアウトした朝倉は、10.12大阪では佐々木憂流迦を下している。負傷ストップ、それもパンチで相手のアゴを2カ所骨折させるという凄まじい勝ちっぷり。佐々木戦を挟んだことで、朝倉は“世紀のリマッチ”のバリューをさらに上げてみせた。
試合後にリングインした堀口は朝倉にRIZINバンタム級のベルトを預けて「一回負けてるからベルトはいらない。(次回、自分で)獲りにいきます」。UFCを離れ、RIZINの“格”そのものを高めてきたワールドクラスが、痛恨の敗北を経てどう変わるのか。ドラマ性に勝負の重み、展開予想の難しさ、すべてが最高レベルの一戦だ。
浜崎朱加が持つ女子スーパーアトム級タイトルへの挑戦者は、韓国のハム・ソヒとなった。大阪大会での挑戦者決定戦、ハムは連勝中だった山本美優のタックルを封じ、パウンドを浴びせてレフェリーストップで勝利。文句なしの実力を見せつけている。