濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
ヒョードル出場に2大タイトル戦。
年末格闘技は“歴史と正攻法”に期待!
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph bySusumu Nagao
posted2019/10/21 15:00
10月9日、ホテル雅叙園にて行われた記者会見場の様子。ヒョードルは、日本でのラストマッチになる、と宣言した。
年末を格闘技のシーズンピークに。
ハムと浜崎が対戦するのは、これが3度目。過去2試合は浜崎が勝利している。2010年と2011年のことで、舞台は日本の女子格闘技イベントJEWELS(現DEEP JEWELS)だった。
観客数百人という規模の大会で成長し、浜崎はアメリカのインヴィクタFC、ハムはUFCで名を上げて再び日本を主戦場とした。“再会”の場は大晦日のさいたまスーパーアリーナ。頂上決戦は、女子格闘技を長く見てきた者にとっての“ご褒美”のような顔合わせと言っていい。
日本マットの歴史を感じさせるヒョードルvs.ジャクソン。歴史の背景があり、同時に現在進行形のトップ対決でもある浜崎vs.ハム。堀口vs.朝倉は来年以降の覇権をかけての闘いになる。加えて1回戦すべて外国人選手が勝利したライト級GPとRIZIN対ベラトールの対抗戦。それが年末の軸であり、マッチメイクは言ってみれば“正攻法”である。現在、出場が決まっている選手たちは実力者であり、個性的で、その背景にストーリー性もある。
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もちろん年末だから“隠し玉”、“飛び道具”が気になるという人もいるはずだ。“話題性要員”の出場を批判しつつ、地上波中継の視聴率も気にしてしまうというのがファン心理というもの。といって「堀口や朝倉、浜崎では地味すぎる」などと言うファンはいないだろう。
かつて、大晦日の大会には普段とは違う“お祭り”という面があった。だがRIZINは年末を「格闘技のシーズンピーク」と位置付けているという。つまり1年の集大成。そのコンセプトにふさわしい形での“世間との勝負”に期待している。