濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
ヒョードル出場に2大タイトル戦。
年末格闘技は“歴史と正攻法”に期待!
posted2019/10/21 15:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Susumu Nagao
毎年恒例、年末格闘技イベントのマッチメイクが決まり始めた。さいたまスーパーアリーナを舞台に、今年は2年ぶりに12月29日、31日の2大会開催となる。
29日に行なわれるのは、アメリカのメジャー団体「ベラトール」の日本大会。RIZINが協力しての開催で、10月9日の記者会見ではエメリヤーエンコ・ヒョードルvs.クイントン“ランペイジ”ジャクソン戦が両選手出席のもとで発表された。
ベラトールはパラマウント映画、MTVなども属するメディアグループ「バイアコム」傘下の団体。マディソン・スクエア・ガーデンでのニューヨーク大会を成功させたほかヨーロッパにも積極的に進出している。この日本大会も、いわば“世界戦略”の一環だ。
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とはいえ、ヒョードルとジャクソン、それにスコット・コーカー代表にとっては単なる1大会以上の意味があるはずだ。
ヒョードルとジャクソンは日本マットで出世したファイター。会見では「また日本で試合することができるのが本当に嬉しい」と口を揃えた。ヒョードル曰く「母国ロシアでは、私が日本で年を越すのが伝統のように思われています」。
ヒョードルvs.ジャクソンは「日本でやるべきカード」
コーカー氏は、かつてK-1アメリカ大会の運営にも携わっていた人物で、ストライクフォース代表時代にも日本のDREAMと組み、青木真也や川尻達也といった日本人選手をケージに招き入れた。それだけに日本大会実現の感慨もひとしおだ。
「社内で意見交換をする際、私はヒョードルvs.ジャクソンを日本でやろうと主張しました。これは日本でやるべきカードですから」
ベラトールはヒョードルと新たに3試合契約を締結。ヒョードル引退ツアーとして、今回の日本に続きヨーロッパ、そしてモスクワでの試合をプランしているという。この3年、ヒョードルの戦績は3勝2敗。1月にはライアン・ベイダーに秒殺KO負けを喫してもいる。友人でもあるというジャクソンとのベテラン対決は、ある種の“湿っぽさ”をともなう試合になりそうだ。RIZIN榊原信行CEOは、かつてPRIDEに夢中になった人たちにも見てほしいとアピールした。