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盟主の座をかけた巨人vs.ホークス。
見所は非情采配“鬼監督”の激突。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byKyodo News

posted2019/10/15 20:00

盟主の座をかけた巨人vs.ホークス。見所は非情采配“鬼監督”の激突。<Number Web> photograph by Kyodo News

CSファイナルステージ、西武対ソフトバンク第4戦 の7回、犠打を決めた内川を迎える工藤監督。

プロ野球の世界図を決める戦い。

 監督の仕事が決断だとすれば、批判を恐れずに思い切った起用と作戦を工藤監督は断行できている。1年前に原監督が評したように「いい監督」への道をしっかりと歩んでいるという事になる。

 1980年代から90年代にかけて死闘を演じた西武とのGLシリーズも魅力があったが、“球界の盟主”を争うソフトバンクと巨人が激突するシリーズは、ある意味、いまのプロ野球の世界図を決める戦いとなる。

過去の成績は巨人の9勝1敗。

 ジャイアンツとホークスが激突するシリーズは過去10回。

 そのうち9回は“盟主”のジャイアンツが制して日本一となり、直近では2000年に長嶋茂雄監督率いるジャイアンツと王貞治監督率いるホークスが激突したミレニアム決戦での勝利もあった。

 ただ、あのときはまだ、ホークスの親会社はダイエーだった。

 ホークスが孫正義社長率いるソフトバンクに買収されたのは2004年オフ。そこから15年、金と人を惜しみなくつぎ込みリーグ優勝5回、昨年は5度目の頂点まで上り詰めて、チームは実質的には球界ナンバー1のポジションを築き上げたと言えるだろう。

 だからあとは伝統の巨人をねじ伏せ、名実ともに“盟主”の座を確立するためのシリーズであるはずだ。

 そしてかつては金満をほしいままにしてきたものの、いまや「ソフトバンクが出てきたから仕方ない」と資金力でも尻尾を巻き、5年間も日本シリーズの舞台にすら登れなかった巨人にとっては、それでも“盟主”の伝統とプライドを守り通せるかのシリーズであるはずだ。

【次ページ】 坂本に何のためらいもなく送りバントのサイン。

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