間違いなく「本物」。

　切って捨てられたカレンブーケドールだって、オークス2着の実力馬だ。そこから1馬身半遅れた3着のシゲルピンクダイヤも、オークスこそ12着と大敗したが、桜花賞で2着になっている。4着のシャドウディーヴァはオークス6着、5着のビーチサンバは桜花賞5着と、これらも大舞台で好走している。

　要は、この秋華賞で上位に来た馬たちは、「気まぐれ」と言われる3歳牝馬でありながら、かなり「アテになる」走りをしてきた馬たちなのだ。

　そのなかから突き抜けたクロノジェネシスの強さは、間違いなく「本物」である。

　これで新馬戦から1-1-2-1-3-3-1着。複勝率100％という安定ぶりだ。成績が安定している馬は、えてして爆発力に欠けることが多い。この馬はしかし、プラス20kgの馬体重が示しているように、ひと夏越して筋肉とパワーをつけ、牡馬顔負けの破壊力で頂点に立った。

実際に牡馬の一線級を負かしている。

　この馬が勝った、昨年9月の2歳新馬戦と10月のアイビーステークスは牡馬との混合戦だった。アイビーステークスで3着だった牡のエメラルファイトは、その後、スプリングステークスを勝っている。先に「牡馬顔負け」と書いたが、実際に、牡馬の一線級を負かしているのだ。

　アーモンドアイという20年、いや、30年に1頭の逸材がいた昨年の牝馬三冠に比べると、今年の3歳牝馬は地味な印象がある。が、ラヴズオンリーユーは4戦全勝でオークスを制しているし、このクロノジェネシスは、3歳牝馬の枠を越えたところまでスケールアップしている。

　2頭がぶつかる11月10日のエリザベス女王杯が今から楽しみだ。

　さて、ノーザンファームの吉田勝已代表が「渋い」と表現したクロノジェネシスの血統を見ていくと──。

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