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『詩人とボクサー アルチュール・クラヴァン伝』
規格外の詩人が抱えた孤独感。必死にもがいた人生は美しい。 

text by

早見和真

早見和真Kazumasa Hayami

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posted2019/10/16 07:00

『詩人とボクサー アルチュール・クラヴァン伝』規格外の詩人が抱えた孤独感。必死にもがいた人生は美しい。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

『詩人とボクサー アルチュール・クラヴァン伝』谷昌親著 青土社 2800円+税

 オスカー・ワイルドの甥であることを自ら吹聴し、既存の秩序やルールを破壊する芸術思想“ダダ”の先駆者として知られ、身長は二メートル近くあり、ボクシングのヘビー級チャンピオンとリングで対戦する。放浪を繰り返しながら、行く先々でスキャンダルを撒き散らし、辿り着いたフランス・パリの地では「今」を意味する雑誌『メントナン』をたった一人で創刊して、そこでいくつもの詩や批評を発表した。

 本書『詩人とボクサー』は、異端と形容するにはあまりにも規格外の詩人、アルチュール・クラヴァンのわずか三十三年の生涯を綴った評伝だ。

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