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シブコとRSK山陽放送の幸福な関係。
「プロになったらウチに所属してね」
text by
石倉利英Toshihide Ishikura
photograph byRSK
posted2019/10/09 20:00
全英女子オープンに駆けつけたRSK山陽放送の桑田社長(左)。歓喜の瞬間は「人の陰になって見えなかった」そうだ。
優勝の瞬間は「見えなかった」
決めれば優勝のバーディーパット。桑田社長から見て、右から左へとボールが転がる。
「打った瞬間は見えましたが、その後は人の陰になって見えなかったんです」
カコン、という音に続いて周囲が総立ちになり、歓声が響きわたった。
「鳥肌が立ちました。表彰式も見ていましたが、あまりにも興奮していて、どれくらいの長さだったのか、よく覚えていません」
優勝トロフィーにキスをする渋野の左肩と、キャップの左側に「RSK」のロゴが輝いていた。
空港には300人、公式HPもダウン。
翌日、桑田社長は渋野と同じ便で帰国の途に就いた。到着した羽田空港で渋野の少し後に到着ロビーに出ると、そこには300人ものファンと、大勢の報道陣が。出発時は「あの人、誰?」だった渋野は、誰もが知るスーパーヒロインになっていた。
AIG全英女子オープンで優勝したとき、RSK山陽放送の公式HPはアクセスが集中し、サーバーがダウンしたという。同局の知名度アップをうかがわせるエピソードだが、「広告塔になってほしいという考えは一切ない」と桑田社長は言う。
「地元の放送局として、どのような応援ができるのか。十分にできていないこともあるのかもしれませんが、我々の姿勢は変わりません。スポンサーとは違う立場で、みんなが応援しているよ、という岡山県民の思いを渋野プロに伝えたい。両者の間にRSK山陽放送がいる、という構図でしょうか」