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秋山翔吾の挑戦と、坂本勇人の存在。
日本人野手とメジャーの距離は?
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byNanae Suzuki
posted2019/10/02 11:50
守備の負担が大きいショートで、タイトルを争う打撃能力。坂本勇人の特別さはアメリカにまで聞こえている。
8人が同時にメジャーにいた時期も。
そんなに大勢の日本人選手がメジャーでプレーすることは、今では想像し難いことだ。
しかし、たとえば2008年開幕時点ではマリナーズにイチロー外野手と城島健司捕手がいて、フィリーズに田口壮外野手がいて、ヤンキースに松井秀喜外野手がいて、アストロズに松井稼頭央内野手、パドレスに井口資仁内野手、レイズに岩村明憲内野手、そしてカブスに福留孝介外野手がいて、総勢8人もの日本人野手が同時にメジャーリーグでプレーしていたこともある。
2012年だって、イチロー(マリナーズからヤンキース)、松井秀喜(レイズ)、福留孝介(ホワイトソックスからヤンキースのマイナー)の3外野手に加え、西岡剛(ツインズ)や青木宣親(ブルワーズ)、川﨑宗則(マリナーズ)と6人もの野手がいた。
松井、福留、西岡3選手がいなくなった翌2013年だって、イチロー、川崎、青木に加え、先ごろ引退した田中賢介内野手/外野手(ジャイアンツ)という4人の日本人野手がいたのだ。
契約条件、言葉、年齢、家族への責任、ドラフト指名してくれた日本の球団への義理……等々。日本人野手の「メジャー挑戦」を阻む壁は決して少なくない。
それでも、先人たちがそうだったように、すべての壁を力強く乗り越え、複数の日本人野手が我先にと「メジャー挑戦」を果たす時代が来るのではないか、と期待する――。