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秋山翔吾の挑戦と、坂本勇人の存在。
日本人野手とメジャーの距離は? 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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photograph byNanae Suzuki

posted2019/10/02 11:50

秋山翔吾の挑戦と、坂本勇人の存在。日本人野手とメジャーの距離は?<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

守備の負担が大きいショートで、タイトルを争う打撃能力。坂本勇人の特別さはアメリカにまで聞こえている。

40本塁打はやはり突出した数字である。

 坂本のように39本塁打も打てる遊撃手は、メジャーリーグにもそういない。

 今年の遊撃手最多はトレバー・ストーリー(ロッキーズ)の35本塁打であり、以下ザンダー・ボガーツ(レッドソックス)とマーカス・セミエン(アスレチックス)の33本塁打、フランシスコ・リンドア(インディアンス)の32本塁打、ポール・デヨング(カージナルス)の30本塁打と続く。

 昨年(2018年)はリンドアが38本塁打、マニー・マチャド、ストーリーが37本塁打、バイエスが34本塁打と続いたが、30本塁打以上はその4人のみ。

 2010年まで過去10年に遡ってみても、シーズン30本塁打以上を打った遊撃手は、2011年のJ.J.・ハーディー(オリオールズ)とトロイ・トルウィツキー(ロッキーズ)の30本塁打、2016年のハンリー・ラミレスの30本塁打、2017年のリンドアとマチャドの33本塁打の5度だけだ。

 メジャリーグ全体で記録更新の6100本塁打を超え、チーム単独でも新記録となるシーズン300本塁打が記録されるなど、全体的に本塁打の数が増えている昨今だ。

 30本塁打には届かなくとも20本塁打以上を打った遊撃手は多く「メジャーリーグの遊撃手のパワーは日本人とは比べられない!」というのは動かぬ事実なのだが、それにしても、坂本の40本塁打という数字は、遊撃手として突出している。

二刀流の大谷以外に野手がいなかったが。

 数日後、坂本と同学年の西武の秋山翔吾が「メジャー挑戦」するというニュースが流れた。

 メジャー移籍が実現すれば、「投打二刀流」の大谷翔平は別として、イチローという「最後の牙城」が崩れた後の最初の「日本人野手」が誕生することになる。

 そこでぼんやり考える。筒香嘉智(DeNA)や、菊池涼介(広島)が興味を持っているという話は聞いたことがあるが、山田哲人(ヤクルト)や鈴木誠也(広島)は、メジャーリーグでプレーすることに興味があるのだろうか。他球団の主力選手は秋山の「メジャー挑戦」をどんな視線で見ているのだろうか、と。

【次ページ】 8人が同時にメジャーにいた時期も。

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