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サッカー好きに贈るラグビー講座。
大きく違うオフサイドの概念とは。 

text by

川端康生

川端康生Yasuo Kawabata

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photograph byNaoya Sanuki

posted2019/10/01 12:00

サッカー好きに贈るラグビー講座。大きく違うオフサイドの概念とは。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

同じ「フットボール」であるラグビーとサッカー。ただしオフサイドの概念については大きく違う。

内容を反映したラグビー的な勝利。

 もちろん今回の勝利もやっぱり大番狂わせとして打電された。しかし、ゲームを観戦していた人はジャパンのパフォーマンスの高さに驚きこそすれ、結果には納得したのではないか。

 先に失点したが、ジャパンに慌てる様子はまったくなかったし、それどころか時間の経過とともに自信が満ちてきているように見えた。劣勢が予想されていたスクラムやボールの争奪戦でも互角に渡り合い、いいテンポで連続して攻撃を仕掛け、イニシアチブを握っている時間帯も少なくなかった。

 だから逆転トライのシーンでは(図々しいことに)「仕留め損ねるなよ」と、むしろハラハラした。4年前の劇的勝利の瞬間は興奮と忘我だったが、今回の喜びには(本当に図々しいことに)安堵のようなものさえ混じっていた。

 優勝候補を破ったという意味では大番狂わせ。でも、あのゲームに限って言えば、内容を反映した結果。まさしくラグビー的な勝利だった。

 それほどジャパンは素晴らしかった。

 とにかく、これで決勝トーナメントが見えてきた。前評判ではアイルランドとスコットランドの2強で決まり。そんなふうに予想されていたグループだったが、ジャパンが主役に躍り出た。

思い出すのは日韓W杯の日本代表。

 思い出すのは17年前のサッカー日本代表である(ラグビーでは代表チームを「ジャパン」と呼ぶことが一般的なので、この稿では敬意を込めてそれを採用。サッカーは「日本代表」と記します)。

 やはり開催国として臨んだ日本代表は、ベルギーとの初戦では3バックの松田や中田(浩二)から前線の柳沢、鈴木へのロングボールが中心で、重心は後ろに置いたまま。人数をかけて攻めるようなことはしなかった。

【次ページ】 開催国の大声援とコンディション面。

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