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熾烈なCS争いの中、二軍で調整……。
ロッテ涌井秀章は、また甦る?
posted2019/09/22 11:30
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph by
Kyodo News
千葉ロッテの涌井秀章が、今季は開幕から苦しいピッチングを続けている。
9月18日現在で17試合に登板して3勝7敗、防御率は4.42。8月1日に一軍登録を抹消されると、その後の二軍戦でさえも5試合で26回1/3を投げて自責点17。この期間の防御率は5.81とふるわない。
一軍のチームメイトたちが東北楽天と熱いクライマックスシリーズ(CS)争いを展開している中、涌井の一軍再昇格の目途は依然立っていない。千葉ロッテに移籍した2014年以降続けてきた規定投球回数も今季はどうやら届きそうになく、ファンもヤキモキとしていることだろう。
西武時代もあった不振。
千葉ロッテが3位以内でレギュラーシーズンを終えれば、10月5日から始まるCSでの復帰の可能性もある。そこを本人はどのように考えているのだろう。
シーズンも残り少なくなった9月の半ば、涌井本人に現在の心境を尋ねにいった。
「両方ありますね。もう来年に向けて切り替えるんだったら、今、二軍では投げていないと思う。まだCSもあるので、そこで経験を買われて投げるのなら……という感じです。確かに二軍で打たれてはいますけど、一軍のマウンドに上がったらまた違うと思うし」
埼玉西武時代の2012~13年にも不振で苦労した時期があった。その後、自身の体を見つめ直し、千葉ロッテ移籍後の'15年に15勝を挙げて見事に復活。自身3度目の最多勝を獲得した。ならば今回も――。
不振の原因としてまず思い浮かぶのは、18歳でプロ入りしてから15年間で蓄積してきた疲労や消耗についてである。