球道雑記BACK NUMBER
熾烈なCS争いの中、二軍で調整……。
ロッテ涌井秀章は、また甦る?
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2019/09/22 11:30
今季は一軍17試合に登板して3勝7敗。8月1日に一軍登録を抹消された。
言い訳するなら「やめた方がいい」。
前述した2311回1/3という数字は、9月18日時点ではNPBでは石川雅規(東京ヤクルト)の2789回2/3に次いで現役2位の投球回数であり、現役日本人メジャーリーガーおよびMLBからの帰国組の日米通算を含めても岩隈久志の2424回2/3(NPB通算1541回、MLB通算883イニング2/3)に次ぐ現役3位の記録である。彼の歩んだ道が間違いではなかったひとつの証明と言えるだろう。
※編:20日、田中将大(ヤンキース)がエンゼルス戦で7回を投げ、通算2318回1/3。涌井は4位に。
ファームで涌井の現状を見守る小野晋吾二軍ピッチングコーチも悲観はしていない。
「ワクはまだ33歳。これからどんどん自分の体と向き合う時間が増えていくと思うんです。彼の場合は1度それを経験していますし、(ロッテに来たときも)それで1度復活して、また活躍したわけですからね。その繰り返しだと思うんです。
30歳を越えると、たとえば食事面を変えて節制に取り組むことになるんだと思うけど、彼の場合はサポートをしてくれる人が周りにいる。あとはどれだけ自分と向き合えるか。今はその時期に来ていると思いますね」
年齢も長年の選手生活も言い訳にはならない。涌井は分かっている。
「それを言うようになったら、もうやめた方がいいですよ」
プロ通算133勝で最多勝3回。その言葉を発したとき、プライドが垣間見えた。
不死鳥のごとく甦る彼の姿を今は信じて待ちたい。