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脇坂泰斗は「とにかく、やりやすい」
川崎で評判高い、心配りと泥臭さ。
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/09/14 08:30
ルヴァンカップ準々決勝、名古屋との連戦にスタメン出場した脇坂泰斗(中央)。プロ2年目の今季は厚い選手層の中、出場機会を増やしている。
代表まで駆け上がる同期の存在。
脇坂が出場機会を得られない一方で、同じ大卒新人である守田は、驚くべき速さで駆け上がっていった。
レギュラーの一角として中盤を担うだけではなく、秋には日本代表デビュー。そんなスピード出世を果たした同期を、脇坂はどんな思いで見ていたのだろうか。
「いや、すごいなと思っていましたよ。悔しいというよりは、すごいな、ですね。ヒデ(守田英正)もそうですが、同世代の活躍は意識はしないといけないし、多少の焦りもありました。
でも、一緒にやってきたメンバーが結果を出しているということは、自分も絶対にやれると思った。自分のやるべきことは何かと、逆に自分に矢印を向けることができました。足りないところもあるので、そこを伸ばす。うちは攻撃陣の層が厚いので、そこに割って入っていけるようにトレーニングしていました」
「お互いを補える」と信頼する守田。
一方の守田はどう感じていたのか。
「アドバイスでもなんでもないですけど」と苦笑いした上で、試合に出れなかった去年の時期を我慢強く積み上げたことが今の脇坂につながっていると守田は話す。
「去年、自分がずっと試合に出続けた時に、ヤストは苦しい思いをしていた。チームの流れとか順位もあって出る機会がなかった中でも、努力し続けてきた。そこはすごいなとは感じてました」
最近の川崎では、両者が中盤のスタメンに名を連ねる機会も多くなってきた。守田は脇坂への信頼を口にする。
「居てくれると心強いし、やりやすいです。良さも知っているし、ウィークポイントもわかるからこそ、お互いを補えるとも思ってます。それに自分が何をしないといけないのか。何を求められて、監督が試合に出しているのか。それがちゃんとわかっているんだと思います。その上でアタッカーとして結果も出せる。結果を残して終わるというところがすごいと思います」
川崎の中盤を担う両者による成長の競い合いは、注目しておくと面白いかもしれない。