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「マイナーを目指す」2人の日本人。
高校で芽が出ず、アメリカに渡って。 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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photograph byKatsushi Nagao

posted2019/09/13 19:00

「マイナーを目指す」2人の日本人。高校で芽が出ず、アメリカに渡って。<Number Web> photograph by Katsushi Nagao

マイナーリーグとの契約を目指す赤沼淳平(左)と福原大生。彼らの挑戦は日本野球の世界を広げている。

150キロが前提になるほどの世界。

 赤沼や福原が言う「楽しい」には、独立リーグとは言え、アメリカのプロ野球で戦う厳しさも当然、含まれている。

「僕みたいなピッチャーはまず何よりも結果出すこと。でも、もう少し球速も上げたい。今の平均球速(時速140キロ前後)でも戦える自信はあるんですけど、メジャーの平均とか今は93マイル(149.7キロ)ぐらいだし、平均が88、9(143.2キロ)じゃスカウトの目にも留まらないから、難しいと思う」

 赤沼がきっぱりそう言えば、福原も毅然とこう言う。

「このリーグには95マイル(152.9キロ)投げるピッチャーも結構いて、力負けじゃないですけど、思ったより打球が飛ばない。それに毎日試合に出るようになったら相手が(守備)シフトを敷いてきたりして、打球が抜けなかったりする。自分の周りにいた選手がどんどんクビになるんで、そういうのが続くと正直、焦ります」

「一芸」がなければマイナーには入れない。

 独立リーグからメジャー傘下のマイナー球団への移籍は珍しいことではないが、頻繁に起こることでもない。

 突出した成績はもちろん、とてつもなく速い球を投げられることや、とんでもなく遠くへ打球を飛ばせること、そうでなければ変則投法やスイッチヒッターや足が速いことなど、いわゆる「一芸」に秀でていることが求められる。

「僕はサイド気味のスリークォーターで、スライダー、カーブ、チェンジアップ、球種が何でも全部ストライク取れる。今ツーシームを封印しているのは、トレーニングをしっかりやって普通の真っ直ぐ、フォーシームでも空振りが取れたり差し込めるようになったから。球速さえ上がればチャンスはあると思う」(赤沼)

「守備とか走塁は自信があるし、打撃については引っ張った時の飛距離だったら誰にも負けない自信がある。でも、そういう選手はほかにもいるんで、やっぱり逆方向に強い打球を打たないと目立たない。こっちに来てからかなりモデルチェンジした。それがアピールにならなくても、今後の大きな財産になると思う」(福原)

【次ページ】 高校で結果を出せなかった選手がなぜ?

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