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「マイナーを目指す」2人の日本人。
高校で芽が出ず、アメリカに渡って。 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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photograph byKatsushi Nagao

posted2019/09/13 19:00

「マイナーを目指す」2人の日本人。高校で芽が出ず、アメリカに渡って。<Number Web> photograph by Katsushi Nagao

マイナーリーグとの契約を目指す赤沼淳平(左)と福原大生。彼らの挑戦は日本野球の世界を広げている。

メジャー球団とマイナー契約するハードル。

 マイナーリーグも独立リーグも試合運営は独立採算制で成り立っているが、メジャーリーグ傘下のマイナーリーグ球団の選手はすべてメジャーリーグから供給される。一方の独立リーグは、選手をすべて自前で調達しなければならない。

 それゆえに独立リーグの各球団は、入場料やスポンサー収入で収益を生み出すと同時に「メジャー球団とマイナー契約できるような選手を育成し、送り出して移籍金を獲得すること」も存在理由の1つとなっている。

「そういう意味ではシカゴ郊外に本拠地があるっていうのが、このチームにとっては最大のアドバンテージになるんだよ」

 そう言ったのは赤沼のチームではなく、彼が訪れた人工芝の野球場を本拠地に持つウィンディーシティー・サンダーボルトのブライアン・スミス監督だ。

「ここは地理的にホワイトソックスやカブスのエリア(地域)スカウトが立ち寄りやすいし、ミルウォーキーやセントルイスなど、中西部に本拠地を置く他球団のスカウトだって来やすい環境にある。タイセイだって良い成績を残していれば、彼らの目に止まるんだ」

 タイセイとは、今年、フロンティア・リーグでプレーしたもう1人の日本人選手、21歳の福原大生外野手のことだ。

福島大学に在学しながらアメリカへ。

 北海道の小樽潮陵高校から福島大学に進学した福原は、今も現役の大学生だが昨秋、同校の野球部を退部して、やはり仲介者を通じてAAのミルウォーキー・ミルクメンと契約し、同チームを自由契約になった後、サンダーボルトに移籍した。

「ミルウォーキーの時はベンチだったし、監督ともうまくコミュニケーションが取れてなかったけど、今はレギュラーでほぼ毎日試合に出ているから、監督だけじゃなく、周りの選手もどんどん声をかけてくれるようになったんで、楽しいっすね」

 福原はそう言いながら、屈託なく笑った。つるんと日焼けした肌が、見るからに若々しい。

【次ページ】 150キロが前提になるほどの世界。

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