“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
吉田麻也、昌子源だけじゃない。
植田直通に芽生えたリーダーの自覚。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byKiichi Matsumoto
posted2019/09/07 11:30
パラグアイ戦の後半に出場した植田直通。吉田麻也とのコンビに手応えを感じていた。
磨かれたダイヤの原石。
思わず「成長したね」と問いかけた。
「はい、成長しましたね(笑)。僕ってやっぱり話しかけづらかったと思うんですよね(笑)」
筆者との会話を終えた後、先に進んだミックスゾーンの端っこで、再びメディアへの質問にハキハキと答えていた。気がつけば、ミックスゾーンを通過した全選手の中で最後まで残っていたのが植田だった。
その姿を見ながら、改めて筆者は初めて会ったときとのことを思い出していた。
高校1年生とは思えない身体能力を持ちながらも、ここまで荒削りな選手はなかなか見たことがなかった。これから磨かれようとしているダイヤの原石は、いびつな形だったが、とても眩しく見えた。本当に素直な少年だった。
その要素は現在も持ち合わせながら、彼は大人になった。
ミックスゾーンで醸し出した柔らかさは、まさに成長の証でもあった。吉田、昌子だけではない。新たなDFリーダーはここにいる。彼は今、その主張を表現しようとしている。