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「甲子園とは違う緊張」も18三振。
奥川恭伸は賞賛にも気を抜かない。 

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高木遊

高木遊Yu Takagi

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posted2019/09/06 11:50

「甲子園とは違う緊張」も18三振。奥川恭伸は賞賛にも気を抜かない。<Number Web> photograph by Kyodo News

スーパーラウンドのカナダ戦。目標としていた7回を投げきり、ベンチへ戻る奥川恭伸。1失点18奪三振の快投にも、反省の言葉を口にした。

ストライク先行で7回を投げ切る。

 5回からは「7回を投げきる」ことにも重点を置いた。

 投球数に制限規定がある今大会。1試合の最大投球数は105球までと定められており、打者を完了するまではそれ以上も投げられるが、その場合は中4日の登板間隔を空けなくてはいけない。そのため、3日後の8日にある決勝戦で登板するには球数を104球以下で抑える必要があった。

 さらには「良い形で次の投手にマウンドを託す」ために7回を投げ切りたいという思いもあった。

 そして迎えた7回、奥川は「残り14球」となる中、見事に13球でまとめて3つのアウトを奪った。終始ストライク先行の投球ができたからこその結果だった。

「菅野のよう」「ボール球の質がプロ」

 7回2安打で四死球無し。18個の奪三振。スタンドから見ていたスカウトたちは絶賛の言葉を並べる。

「制球・球威ともに抜群。三振を取るコツを知っている。すべての球種を投げ分けて、緩急をつけられる投手はそうそういない。ウチで言うと菅野智之のよう」(巨人・長谷川国利スカウト部長)

「ボール球の質がプロ。甲子園でも(意図せず)大きく外れるボールは極めて少なかった。今日の投球を見ても一軍の投手と比べて遜色ありません」(ソフトバンク・永井智浩編成育成本部長兼スカウト・育成部長)

 さらに西武・渡辺久信GMは久々の登板で、ましてや慣れない国際舞台だったことにも触れて「1イニングで感覚を掴んで投球をしていました。プロに入ってもすぐ生かせる能力です」と、その対応能力を高く評価していた。

【次ページ】 甲子園で叶わなかった頂点を。

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