バスケットボールPRESSBACK NUMBER
日本バスケが突きつけられた現実。
W杯で得た課題と、どう向き合うか?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byYukihito Taguchi
posted2019/09/05 12:20
チェコ戦で惜しくも敗れたバスケットボール日本代表。目標としていた1次リーグ突破の可能性は途絶えた。
「少し足が止まってしまった」
ずるずると離されてしまった理由は何だったのか。
この試合にむけて大きな期待を受けていた田中は、こう振り返る。
「やはり、第3Qで少し足が止まってしまいました。自分たちの徹底できない部分が積み重なって、最後はこのような展開になってしまった。本当に小さいところの差だとは思うんです。スクリーンをかけられなかったり、細かいところでズレが作れなかったり、最後に苦しいショットになってしまったり……。
それに対して、相手は40分間しっかりスクリーンを当ててきますし、そういうものがボディーブローのようにダメージになる。戦えていたところもありましたが、トータルして戦えない。そこが今いちばん自分たちの足りないところかなと思います」
40分間のゲームの間ずっとフィジカルコンタクトが続くと、コンタクトに慣れていない選手は少しずつ体力を削られていく。ボディーブローのように、それがダメージとして蓄積される。後半になって日本の足が止まり、ジリジリと差をつけられていったのは、その見えないダメージの蓄積によるものだった。
8月に日本で行われた親善試合では、後半になると日本が点差をつめていけたのだが、それは公式戦とは比較にならないインテンシティーの低い試合だったからこそ、可能だったということなのだろう。
ラマスHC「長い目で改善」
「今の選手たちのほとんど……10人の選手が国内でやっています。残念ながら、Bリーグはまだまだフィジカルコンタクトの激しいリーグではないので、これまで対戦したヨーロッパのユーロリーグなどと比べて、そういったプレーが少ない」
ラマスHCもそう認めたうえで、一朝一夕で解決できる問題ではないと明かしている。
「フィジカルコンタクトに関しては、直していけると信じてやっています。国内ではなかなかフィジカルコンタクトがないぶん、我々と一緒に選手たちがトレーニングするときにはそういったところを意識させていきます。ただ、1年ではそうそう結果は出ないと思いますので、長い目でみて、どんどん改善していきたい」