バスケットボールPRESSBACK NUMBER
日本バスケが突きつけられた現実。
W杯で得た課題と、どう向き合うか?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byYukihito Taguchi
posted2019/09/05 12:20
チェコ戦で惜しくも敗れたバスケットボール日本代表。目標としていた1次リーグ突破の可能性は途絶えた。
本職ではない田中のPG起用。
そんななかで迎えた9月3日のチェコ戦では、フリオ・ラマスHC(ヘッドコーチ)はスタメンを2人変更した。
相手のポイントガード(PG)であるトマシュ・サトランスキーは201cmの高身長で、シカゴ・ブルズで活躍する選手だ。そこでラマスHCは、PGに田中大貴を、SG(シューティングガード)には馬場雄大を先発に送り込んだ。サトランスキーのマークにはSGの馬場を、相手SGの202cmのヴォイチェフ・ハルバンには田中をマッチアップさせた。
田中の本来のポジションはPGではない。にもかかわらず、今大会ではPGでの起用が主になっている。その理由の1つが、相手チームのサイズの大きいPGと対峙するシチュエーションを考慮されたからだ。
7月31日のW杯候補メンバーの発表の時点で、ラマスHCは長身PGのサトランスキーを擁するチェコ戦では田中のPG起用がカギを握ると話していた。そして、相手のエースを抑える役割を与えられた馬場も、また、燃えていた。
「『サトランスキーはお前がマッチアップに行くんだ!』という風にラマスさんが言ってくれて。トルコ戦で最初にガツンとやられていたのは自分たちのディフェンスに問題があったからだと思っていました。なので僕がマークを託されたからには、最初からエンジン全開でやろうと思っていました」
第1Qを同点で終えた日本。
初戦では散々な立ち上がりから第1Q(クォーター)で16点もの差をつけられた日本だったが、チェコ戦は違った。この試合のための作戦も、HCからのタスクを意気に感じた選手たちも、序盤はそれにしっかり答えていた。
その結果、1Qは18-18の同点で、2Q終了時も40-45という競った展開でハーフタイムを迎えることになった。
しかし後半は、同じ強度ディフェンスを維持できなかった。3Qでも4Qでも、4点ずつ差を広げられ、最終的には76-89で辛酸をなめることになった。