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浦和・興梠慎三が8年連続二桁得点。
佐藤寿人が語る2人の意外な共通点。
text by
杉園昌之Masayuki Sugizono
photograph byGetty Images
posted2019/09/04 11:30
湘南戦では開始早々ゴールを決め、あっさりと記録を塗り替えた興梠慎三。佐藤寿人ら“同業者”からの評価も高い。
タイトルを「いまいるメンバーと」。
浦和の象徴へのこだわりを見せている一方で、普段は欲をほとんど出すことはない。日本代表や海外移籍に執着せず、'17年に得点王争いをしているときも、周囲の喧騒をよそにマイペースを貫いた。かつて佐藤が「一緒に得点王争いをしよう」と声をかけても、返ってくる答えはいつも同じ。
「俺なんて、無理ですよ」
それでも、J1で得点王に輝いた実績を持つ佐藤は、いまあらためて言う。
「これだけコンスタントに数字を重ねているのだから、やっぱり、慎三はそういう称号を勝ち取るべき選手ですよ。そこに欲がないんだろうけど、取ってほしい」
25節時点で得点ランクトップを走る13点のディエゴ・オリヴェイラらとは3点差。十分に射程圏内にある。
「個人の賞もほしいけど、一番手にしたいのはJリーグのタイトル。浦和ではルヴァン杯、ACL、天皇杯で優勝した。残る1つはJリーグだけ。いまいるメンバーたちで取りたい」
欲張らない男である。それでも、いつか個人の栄冠を手にする日もくるはずだ。継続は力なり――。