野球のぼせもんBACK NUMBER
ソフトバンクの超逸材はどうしてる?
スチュワートが三軍で勉強中のこと。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKyodo News
posted2019/08/28 19:00
スチュワートのフィーバーは落ち着いても、彼のプロ人生はまだ始まったばかり。再びのフィーバーはいつになるか。
細かい野球への対応はマストではないが……。
そのうえで、入来コーチはスチュワートの現在の課題をこのように口にした。
「まずは1年間戦う体力をつけることですね。まだ体力がない。また、緻密な野球への対応に関して本人がどのように感じているか分かりませんが、この前の亜細亜大戦は彼の財産になる試合だったと思います。
日本に来る外国人選手を見ても分かるように皆ある程度年数が経ってからそれを知って苦戦する場合が多い中で、彼は19歳でそれを体感したわけですから。まあ日本で活躍している外国人投手の全員が緻密な野球に対応できているかといえばノーで、それをしなくても勝つことは出来るのですが、彼がどのように考え、これからの野球人生につなげていくのかは楽しみです」
「毎試合反省して、修正して臨んでいます」
そしてこの当日、ナイターで四国アイランドリーグの高知ファイティングドッグス戦に先発した。試合前から開催が危ぶまれるほどの雨模様。それもあって観客はわずか247人という中で、彼は投げた。
初回、濡れて滑るマウンドに苦慮したのか3四球を与える。それでも何とか無失点で切り抜けると、2回以降はきっちりコントロールを修正して無四球で6回まで投げ抜いた。4安打無失点、奪三振は5つ。球数は104球だった。
この日の最速は149キロ。自身の記録は158キロなのでやや物足りなかったが、悪天候だから仕方ない。むしろ走者を置いたり、追い込んだりした場面になると明らかに球速が上がっていた。試合途中の修正能力に加えて、力の出し入れを簡単にやってのけるあたりがやはり並の投手ではない。
試合後、スチュワートに話を聞くことが出来た。
「雨? そういう時もあります。マウンドでの修正は2回からというより、初回の3人目あたりでは出来ていました。リリースポイントをしっかり前に置くことを意識しました」
また、この試合の3回、安打で許した一塁走者を牽制球で刺す場面もあった。
「毎試合反省をして、それを練習の中で修正して次の試合に臨むようにしています。その成果が出たのは良かったです」