野球のぼせもんBACK NUMBER
ソフトバンクの超逸材はどうしてる?
スチュワートが三軍で勉強中のこと。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKyodo News
posted2019/08/28 19:00
スチュワートのフィーバーは落ち着いても、彼のプロ人生はまだ始まったばかり。再びのフィーバーはいつになるか。
コーチ「一軍で通用するボールを投げる時も」
他にやられた試合がなかったわけではない。来日2戦目だった7月18日は2.2回で5失点を喫した。ただ、この時はオリックス二軍が相手だった。いわゆるプロの洗礼というヤツを浴びたのだろうと思っていた。
現にその後は社会人、独立リーグを相手に2試合続けて無失点に抑え、8月10日の四国リーグ・香川戦も5回3失点にはまとめていた。
なのに、大学生にボコボコにされた。これは取材に行かねばならん。8月25日、タマスタ筑後の三軍戦登板日に出向いてきた。
試合前の練習から取材。背番号2のスチュワートを発見。おや、随分痩せたように見えるが、大丈夫か?
彼の近況について、入来祐作三軍投手コーチに訊ねてみた。
「何試合か投げましたが、やっぱりポテンシャルはすごいですよ。メジャーリーグがドラフト1位でピックアップする能力を持っている投手だなと確認できました。特に指にかかった時の真っ直ぐは本当に魅力的ですね。今でも一軍で通用するボールを投げる時もあります」
初めて出会った「日本の野球」。
――しかし、亜大戦は苦しみましたね。
「いわゆる日本の野球にやられました。しっかり四球を選んで、走ってきたり。チーム全体で彼を攻略しにきました。狙い球や走塁面の作戦をチームとしてあれほど徹底する野球というのは、彼は初めて経験したんじゃないですかね。アメリカの野球は工夫がないわけではないですが、チームとしてというより各個人で考えながらやるのがアメリカのスタイルです」
元巨人ドラ1の入来コーチは'06年から2年間、メジャーリーグのメッツ傘下とブルージェイズ傘下でプレーをした経験を持つ。
「私自身、その時の経験が生きると思います。日本の若い選手と同じやり方だけでは違う部分もあると思うので、柔軟に対応していきたいと思っています」