話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
水戸・小川航基が貪欲に求める結果。
J1昇格、15点、堂安と一緒に五輪。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/08/28 11:30
水戸・長谷部監督から指示を受けるFW小川。移籍後、6試合で4得点を挙げていたが、第29節東京V戦ではノーゴールに終わった。
海外へ渡るライバルたち。
また、同世代の仲間の動向が小川を刺激した。
コパ組の上田綺世は法政大から前倒しで鹿島アントラーズに入団し、プロ生活をスタートさせた。前田大然はポルトガルリーグへ移籍した。ストライカーではないが三好康児はベルギーに渡り、久保建英はレアルと契約後、マジョルカでプレーすることが決まった。安部裕葵はバルセロナBに移籍した。
東京五輪世代が続々と海外に進出し、東京五輪を戦う18個の椅子を虎視眈々と狙っている。
「そりゃ、みんな(五輪に)出たいと思いますよ。日本での五輪ですし、目指すべき大きな大会です。だから、みんないろいろ考えて動いている。みんなが海外に出ていくのは、自分にとって刺激にしかならない。J1でしっかりと結果を出して海外に行っているんで、自分も置いていかれないように水戸で結果を出していくだけです」
「15点は取りたい」
J2は、残り13試合だ。
これから昇格レースは、ますますシビアになり、小川へのマークも当然厳しくなっていく。その中で小川が考える結果とは、どのくらいの数字なのだろうか。
「15点は取りたい。今、4点なのでこれから毎試合1点ずつの計算でいける。そのくらいやらないと僕がここに来た意味がなくなる。幸い、試合を重ねるごとにみんな僕を見てくれるようになったし、試合に出るようになってコンディションも上がってきた。十分達成可能な目標だと思います」
小川は余裕のある表情でそう言った。
やれそうだなと手応えを感じている表情を見ていて、思い出したのはU-20日本代表で堂安律とともに中心でプレーしていた時だ。ふたりでチームを牽引し、彼らが東京五輪代表の中軸になっていくのだろうと思っていた。
だが、小川がケガなどで苦しむ中、堂安はA代表に欠かせない選手になり、東京五輪代表チームの主軸になった。公私ともに仲が良いふたりは、2020年への思いが深い。