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<世界水泳2冠王者の覚悟>
瀬戸大也「誰のためでもなく、自分のために」

posted2019/08/23 15:00

 
<世界水泳2冠王者の覚悟>瀬戸大也「誰のためでもなく、自分のために」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

text by

田坂友暁

田坂友暁Tomoaki Tasaka

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photograph by

Nanae Suzuki

韓国で行われた世界選手権は、優勝すれば東京五輪に内定する大一番だった。日本代表の主将として、エースとして、期待に応えた2つの金メダル。戦い終えたばかりの王者が1年後を見据えて語った。(Number984号掲載)

 大暑を過ぎ、雲高く刺すような日差しが照りつける東京。瀬戸大也が世界一の称号を取り戻した韓国・光州とはまた違う空が広がっていた。瀬戸の表情も韓国にいるときとは違い、いくぶんリラックスしているようだ。

「ちょっと、恥ずかしいっすね」

 六本木けやき坂通りで撮影をする瀬戸に気づいた女性ファンの視線を受けて、照れたように言う。それでも、声をかけられれば気さくに写真撮影に応じていた。

 そういえば2017年、名古屋で行われた日本選手権でも、試合後に出待ちをしていたファンに対して1時間ほど握手をしたり写真を撮ったりする瀬戸の姿を見たことがある。思い出話をすると「だってなかなか名古屋とかには行けないですから。観に来てくれるって、うれしいですよね」と人なつっこい屈託のない表情で笑った。

 この男は、本当に世界王者なのか。疑問に思うほど、自然体で、年相応の若者にしか見えない瀬戸の姿がそこにあった。

 7月21日から28日まで開催されていた第18回FINA世界選手権の競泳競技。瀬戸は200mと400m個人メドレーでの2冠を果たして2種目で東京五輪の内定を手にした。200mバタフライでも銀メダルに輝き、世界選手権で自身初となる1大会3つのメダル、北島康介を超える通算4個の金メダル獲得という偉業達成となった。

 しかし、瀬戸はすでに別のことで頭がいっぱいだった。

「このメダルも、もう過去ですね。東京五輪で金メダルを獲るために、何をすればいいか。やることはたくさんあるので、別のことを考えている暇はないです」

この記事は雑誌『Number』の掲載記事です。
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