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「松坂世代初の名球会」に希望が。
藤川球児、39歳のクローザー転向。 

text by

広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byHideki Sugiyama

posted2019/08/20 12:00

「松坂世代初の名球会」に希望が。藤川球児、39歳のクローザー転向。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

剛球投手が駆け引きを覚えて息長く活躍するパターンはある。しかし藤川球児は今も昔も火の玉ストレートで勝負する。

松坂世代は名球会に誰も入れない?

 藤川がクローザーに復帰したことで「ある期待」が出てきた。

 多士済々の野球選手を生んだ「松坂世代」だが、残念なことに「名球会」入りする選手が出る可能性はほとんどなくなっていた。

■松坂世代、安打数、勝利数、セーブ数3傑。日米通算。所属があるのは現役■
 <安打数>
 村田修一 1865安打
 東出輝裕 1366安打
 小谷野栄一 1260安打

 <勝利数>
 松坂大輔(中日)170勝(NPB114、MLB56)
 杉内俊哉 142勝
 和田毅(ソフトバンク)134勝(NPB129、MLB5)

 <セーブ数>
 藤川球児(阪神)234セーブ(NPB232、MLB2)
 永川勝浩(広島)165セーブ
 加藤大輔(オリックス、楽天) 87セーブ

 名球会は2000本、200勝、250セーブが入会ライン。日米通算も可だ(ただしNPBでデビューしたシーズンから起算する)。

村田ですら達成できなかったが。

 打者では村田修一があと135安打まで迫ったが2017年オフに衝撃の戦力外。これで、松坂世代での「名球会」は、もう出ないと思われていた。

 しかし藤川のここへきての大活躍で、藤川が日米通算250セーブをクリアする可能性がにわかに出てきたのだ。あと16セーブで「名球会」のブレザーである。

 もちろん「名球会」は私的な団体ではある。この数字をクリアするのに汲々とする必要はないが、大きな目標があれば、野球選手は奮い立つものだ。また「名球会」をクリアすれば野球殿堂入りもみえてくる。

 順調なら来年にも達成できるだろう。酷暑が続くが、藤川球児には気持ちも新たに大台を目指してほしい。

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