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1日かけてプロ野球を遊び尽くし、
東京ドームと選手の巨大さに驚く。
 

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中溝康隆

中溝康隆Yasutaka Nakamizo

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photograph byYasutaka Nakamizo

posted2019/08/17 11:40

1日かけてプロ野球を遊び尽くし、東京ドームと選手の巨大さに驚く。<Number Web> photograph by Yasutaka Nakamizo

左からスポーツ報知の加藤弘士さん、川相昌弘さん、糸井重里さん、筆者。野球で遊ぶのは大人も楽しいのだ。

誰もが期待する場面で、岡本が!

 野球界だってそうだ。子どもの頃を思い出してほしい。プロ野球のベテラン選手はとてつもなくおじさんに見えた。巨人で言えば、坂本や丸も30代に突入した。新しいファンを球場へ連れて来るために求められているのは、20代のスーパースターであり、その筆頭にいるのが背番号25なのは疑いようがない。とか思っていたら、打った。芸術的な放物線を描いて打球は右翼席へ飛んでいく。

 入った! 入ったあぁぁぁぁ! 同点3ラ~ン! 

 就活時にラジオ局のアナウンサー最終試験まで残った経歴を持つ進行役・加藤デスクも絶叫。振り乱れる大観衆のオレンジタオルの巨大な波。ナイスですねー! 周りのお客さんが放送席まで身を乗り出し、糸井さんや川相さんとハイタッチを交わしている。これぞ4番の仕事だ。

 9対9の同点に追いつくと、明らかにスタンドの雰囲気が変わった。3ボールになると自然と投手を鼓舞する拍手が沸き起こり、今季の功労者のひとり中川皓太がピンチを背負えば一球ごとにガンバレガンバレとまた拍手。川相さんも思わず「東京ドームでこういう拍手って珍しいんじゃないですか」と驚いている。不思議なもので、グラウンドの熱はスタンドへと瞬く間に伝わっていく。

 ちょっと失礼します、なんつって延長突入前にトイレへ走る。喉が渇かないよう序盤から水をハイペースで飲みまくったのがいけなかった。実況アナや解説者も大変なんだな。混み合った男子トイレでは、「いけるぞ、いける」「この試合、絶対獲れる」「代走・陽はいったいなんだったんだ」なんてテンションの上がったG党が会話を交わしていた。

 岡本の劇弾を境にまるで場内は日本シリーズのような雰囲気となり、3時間54分の熱戦の締めは10回裏、とっておきの代打・亀井善行が犠飛を放ち、10対9で今季4度目のサヨナラ勝ち。1試合5発は今季最多。報知記録室によると7点差以上の逆転勝利は13年ぶりだという。2019年ペナントのターニングポイントとして長く語り継がれそうな一戦となった。

グラウンドに降りるのはやっぱり特別。

 熱戦を見届けた試合後、グラウンドに降りての記念撮影はみんな笑顔だった。さっきまで選手たちがしのぎを削った芝生の上を、子どもたちがハシャイで駆け回っている。

 今年も朝10時から夜10時過ぎまでどっぷり野球漬けの1日、『野球で遊ぼう。』が終わった。心地良い興奮と狂熱でクタクタだ。十数時間後、明日はデーゲームを戦うプロ野球選手はなんてタフなんだろう。

 家に帰ったら、DAZNで岡本同点弾を見返そう。令和の新時代が幕を開けたばかりのように、若き4番バッター岡本和真のストーリーもまだ始まったばっかりだ。

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