話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
「バルサ化」の夢はいずこへ……。
新監督でも止まらない神戸の混迷。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/07/18 11:40
現役時代はバイエルンの守備的MFとして輝かしい実績を残したフィンク監督だが……。
「チームとして戦い切れていない」
1-3で敗れたのは、もちろん守備陣だけの責任ではない。
神戸はカウンターで少なくとも3本のチャンスを作ったが、どれもミスして活かせなかった。サッカーでは取れるところで取らないと後で痛い目に遭う。この日の神戸はまさにそうで、チャンスを作るが追加点を奪えず、弱点を攻められて我慢し切れずに失点するという流れだった。
「90分間、チームとして戦い切れていない」
試合後、イニエスタは、そう言った。
フィンクは相手に合わせた戦い方を主としており、チームのスタイル構築までにはまだ至っていない感じだ。しかし、プレーしている選手は確たるものがないと自信を持って戦えない。イニエスタは、湘南戦の結果について「湘南は毎週末やっている試合を今週末もして結果を出した」と語った。確立したスタイルを継続することの重要性を述べている。
山口もその点について、同感のようだ。
「今後、蹴るのか、繋ぐのか。決めて行かないとどっちつかずの状態になるんで。そこは徹底した方がいいと思います」
神戸の15位という順位は、まさにチーム状態を表している。
理想を追うには、時間も人もいる。今の神戸には、そのどちらも必要だ。