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マツダスタジアム設計者の遊び心。
新幹線、遊環構造、ただ見エリア……。

posted2019/07/17 08:00

 
マツダスタジアム設計者の遊び心。新幹線、遊環構造、ただ見エリア……。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

勝っても負けても、マツダスタジアムは常に満員だ。その裏には、スタジアム自体の力もあるのだ。

text by

生島淳

生島淳Jun Ikushima

PROFILE

photograph by

Nanae Suzuki

 日本でいちばん好きな球場は――マツダスタジアム!

 この答えを出すのに、まったく迷いはない!

 アメリカではオールドスタイルだったらボストンのフェンウェイ・パーク、20世紀末にたくさん建てられたクラシカルモダンだったらシアトルのTモバイル・パーク(セーフコ・フィールドって言わないと、なんだかピンとこないね)だけれど、日本では広島がダントツ。

 まだ訪ねたことがない人は、とっても幸せだと思う。

 はじめてスタジアムを目にした時の、あの興奮を人生でまだ味わっていないのだから!(『スラムダンク』をまだ読んでない人並みに羨ましい)

 Number982号「カープに学べ」特集の企画「マツダスタジアムに『遊び心』を学べ」は、どうしてあれだけ楽しい空間が日本で実現できたのか、それを探るために取材計画を立てた。

球場を設計したのは、仙田満氏。

 私がマツダスタジアムの好きなところを挙げると、思いついただけでこれだけある。

・おトクな内野自由席1700円で球場に入れる。コスパ最強!
・たとえシートに座れなかったとしても、球場を一周できるコンコースをウロウロしていると、アッという間に時間が経つ
・コンコースではバックネット裏、内野、外野とあらゆる角度から野球が楽しめる
・ライトスタンド後方にあるフィットネスクラブがシュール
・「寝ソべリア」「バスタベリア」「ただ見エリア」など、他の球場では考えられないエリアがある
・レフト後方に走行中の新幹線が見える

 企画の“肝”は、こうしたアミューズメントがなぜ実現できたか、を探ることだ。

 そこで取材対象に選んだのは、設計を担当した環境デザイン研究所の仙田満氏だった。

 仙田氏への取材は忘れがたい時間となった。ここ数年の仕事の中で一、二を争うインタビューだったのではないかと思う。

【次ページ】 「日本の球場は窮屈ですよねぇ」

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