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“カッチー”田中勝春も今や48歳。
騎乗減少もまだまだ衰えていない。 

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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photograph bySatoshi Hiramatsu

posted2019/07/12 17:00

“カッチー”田中勝春も今や48歳。騎乗減少もまだまだ衰えていない。<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

“カッチー”の愛称でおなじみの田中勝春。JRA通算2000勝まであと234勝(7月7日現在)、小気味いい騎乗での重賞勝利を見たい。

1年目の田中を襲ったバセドー病。

「藤原先生には『挨拶はしっかりとしなさい!!』など、生活面で厳しい指導を受けました」

 反面、競馬の事で叱られた記憶は全く無い。

 デビュー当初は騎乗馬のほとんどが師匠の馬。そんな生活が1カ月ほど過ぎた頃だった。ある朝、目覚めると、体に異変を感じた。

「立ち上がろうとしたけど全く力が入らず動けませんでした」

 周囲がその事態に気付き、すぐに病院に搬送された。

「バセドー病と診断されました」

 慣れない生活からくるストレスに体が悲鳴を上げた。ホルモンバランスが崩れたのだ。体が動くようになるまで2~3日。その後も入院生活は続き、リハビリと薬が手放せない体になってしまった。

「当時『健康面に不安のある騎手を乗せるわけにはいかない』と、JRAが引退を勧告するように動き始めた、という噂も小耳に挟みました」

 しかし、結果的にそんな勧告を受ける事はなかった。

「本当にそういう流れがあったのかは分かりませんけど、もしあったのだとしたら多分、藤原先生が動いて阻止してくれたのだと思います」

復帰後、ヤマニンゼファーとGI初制覇。

 復帰したのは半年以上が経過した10月7日で、初勝利はその2週間後。1年目の成績は僅か5勝に終わった。

 しかし、デビュー2年目の'90年に41勝を挙げると、その後は毎年コンスタントに60勝以上を挙げ、トップジョッキーの仲間入りを果たした。

 デビュー4年目の'92年にはヤマニンゼファーに騎乗して安田記念(GI)を優勝。自身初のGI制覇を飾った。

【次ページ】 悔いが残る1993年秋の天皇賞。

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