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<鯉のレッスン14講座:Lesson 2>
大瀬良大地に完投主義を学べ。

posted2019/07/12 15:00

 
<鯉のレッスン14講座:Lesson 2>大瀬良大地に完投主義を学べ。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

text by

赤坂英一

赤坂英一Eiichi Akasaka

PROFILE

photograph by

Nanae Suzuki

ここ2年連続で2桁勝利を挙げている広島のエースは、さらなる飛躍を期し“完投主義”を打ち出している。穏やかな表情の裏に、周到な準備と覚悟を隠して。(Number982号掲載)

「1シーズン先発で投げる以上、すべての試合で完投できるようにと思ってマウンドに上がっています。先発、中継ぎ、抑えと分業制の時代になっていますけど、それでもやっぱり、先発が目指すべきは最後まで投げきることじゃないかな」

 かつての大黒柱だった黒田博樹のような言葉を、今のエース大瀬良大地は穏やかな表情で当然のことのように語り始めた。

 振り返れば、先発10勝で新人王となった2014年は完投3。'15、'16年のリリーフ転向を経て先発に復帰し、また10勝した'17年は完投ゼロ。'18年にはキャリアハイの15勝をマークして、自身初の最多勝を獲得しながら、そのタイトルを分け合った巨人・菅野智之に沢村賞をさらわれた。重要な選考基準のひとつ、「10完投以上」をちょうど10でクリアした菅野に対し、大瀬良は僅か「2完投」にとどまったからだ。

 球界を代表する本格派という称号を得るには、白星の半分以上を完投で挙げるような投手にならなければならない。さらなる飛躍を期した大瀬良は今季、交流戦までに早くも自己最多の4完投を果たしている。

「菅野さんの10完投には、すげえなと思いました。去年までのおれじゃ考えられんなあ、と。新人のころ、菅野さんは対戦するだけでワクワク感を感じていましたけど、最近は僕の立場も変わってきて、勝たないといけないし、実際にある程度は勝たせてもらっています。そういう中で、ただ勝つだけでなく、自分も完投を目指してやっていかないと、と思うようになりました」

 そんな大瀬良の背中を押したのが、今年二軍から一軍の投手コーチに昇格した佐々岡真司だ。カープ一筋の現役時代に先発、中継ぎ、抑えでフル回転して通算138勝106セーブ。自己最高のシーズン13完投2度を含めて、通算66完投の記録を誇る1990年代の大エースである。

この記事は雑誌『Number』の掲載記事です。
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