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ランパード監督就任が秒読み段階。
レジェンドに託すチェルシーの思惑。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byUniphoto Press

posted2019/06/22 11:30

ランパード監督就任が秒読み段階。レジェンドに託すチェルシーの思惑。<Number Web> photograph by Uniphoto Press

フィニッシュに絡めるタイプだったランパード。スタンフォード・ブリッジのテクニカルエリアに立つ姿が見られるか。

モウリーニョ体制以来の“形”を。

 昨季、DFトモリやMFマウントを「アグレッシブにプレーしていた」と評価することが多かったランパードは、前線からオフ・ザ・ボールでのハードワークを基本とする、攻めの姿勢を好む。

 ダービーでの就任当初から「いわゆる『ティキ・タカ』にこだわりはないが、ボールを持ったら勇気を持って攻めるサッカーをしたい」と公言している。そのようなポリシーは、遅攻が増えたサッリ体制下にもどかしさを覚えたファン、そしてフロントに歓迎されるだろう。

 主力に生え抜きが複数人いるチームが、見応えのあるサッカーで果敢に勝負を挑む。

 これがランパード監督就任の先にある将来像であれば、チェルシーは、2004年に始まった第1期ジョゼ・モウリーニョ体制下でリーグ連覇を達成して以来、久々の明確なアイデンティティを手に入れることになる。

 一般的には情に流された危険な賭けと受け取られるだろうが、チェルシー的には適時に適材適所となる新監督の人選。それが、フランク・ランパードという名の新米監督抜擢の真相である。

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