プレミアリーグの時間BACK NUMBER
ランパード監督就任が秒読み段階。
レジェンドに託すチェルシーの思惑。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byUniphoto Press
posted2019/06/22 11:30
フィニッシュに絡めるタイプだったランパード。スタンフォード・ブリッジのテクニカルエリアに立つ姿が見られるか。
かつての同僚、有望株もやる気満々。
となれば、ユースからトップチームへの進路を築き得る監督としても期待が持てる。助監督としてセットでダービーからやってくるだろうジョディ・モリスは、一昨季までチェルシーのU-18チームを率い、彼自身もユース出身者という経歴もある。
「レジェンドに呼ばれたら2つ返事でOKするしかない」
こう明言したのは、チェルシーで育成され、昨季はレンタル先のダービーでプレーしたフィカヨ・トモリ。またEL優勝トロフィーを掲げたセサル・アスピリクエタや、ロッカールームのリーダー的な存在のダビド・ルイスのように、先輩格の元チームメイトとしてもランパードに一目置く主力がいる。
また、当時はアカデミーで育成されていたルーベン・ロフタス・チークやカラム・ハドソン・オドイといった若手有望株も、ランパードには即座に敬意を抱き、やる気を駆り立てられることだろう。
トモリは、昨季ダービーで最終ラインの中央で計55試合に出場。着実に自信と存在感を増した成長の裏には、インターセプトを狙う積極的な守備や、攻撃の起点としてロングパスも織り交ぜようとする姿勢があった。
その成否にかかわらず、サムズアップや拍手で21歳のセンターバックを励ましたのが、当時のランパード監督である。
20歳マウントもダービーで成長。
20歳のプレーメイカー、メイソン・マウントも昨季レンタル先のダービーで成長している。怪我による戦線離脱がありながらも、最終的には2ケタ得点をマークした。
ハットトリックを決めた4月のボルトン戦後、ランパードは、「彼とはよく話をする。才能も向上心も素晴らしいが、ボックス内に走り込んでチャンスをものにする、ゴールへのハングリー精神をさらに引き出そうと努めているよ」と明かしてくれた。