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世界で愛されるモンスト
posted2019/06/27 11:00
text by
河崎三行Sangyo Kawasaki
photograph by
Tadashi Shirasawa
台湾ではモンストグランプリの予選が熱く繰り広げられていた。
日本以上の盛り上がりを見せる大会の模様をレポートする。
いやぁ台湾はアツい。
モンスターストライク(モンスト)は今年、2014年の台湾での提供開始から5周年を迎え、台北で記念イベントが催された。その日、5月26日の現地は最高気温32℃、最高湿度74%……。
台湾、そして15年から香港、マカオでもリリースされているモンストは繁体字版で、タイトルは「怪物彈珠」と綴られる。初の海外進出の場として台湾が選ばれたのは、ゲーム熱が高く、しかも日本の文化が非常に好意的に受け入れられている土地柄ゆえ。その期待通り大ヒットし、現在までに累計750万人が繁体字版アプリをダウンロードしているが、台湾が半分以上を占めている。
YouTuberやプロ選手に大行列。
朝10時、『怪物彈珠5th誕生祭』の幕が開くや、まず物販コーナー前にオリジナルTシャツやキャップ、キャラクターのキーホルダーやフィギュアなどを求めるファンで、黒山の人だかりができる。
またその隣のブースにある、現地での登録者数100万人超(台湾の総人口が約2360万人であることを考えると、これはとてつもない数だ)を誇るモンストYouTuberや日本のトッププロプレーヤーらと一緒にチームを組んでプレイができるテーブルにも、引きも切らず来場者が訪れてはショットを繰り出し、画面越しにしか会えなかった憧れの存在と会話を交わしながら、モンスター退治に没頭している。
かと思えば撮影コーナーには、会場スタッフにスマホを渡し、人気キャラクターをバックに思い思いのポーズを取ってはカメラに収めてもらっているモンストファンと、その順番待ちの列が。
一方、そうした催しと並んで、同じフロアのパーテーションで区切られた一角には、静まり返ってぴんと緊張した雰囲気が漂っている空間があった。誕生祭イベントの大きな目玉のひとつ「モンストグランプリ2019アジアチャンピオンシップ台湾予選」の、タイムアタックRound(TR)が行われているのだ。