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世界で愛されるモンスト
text by
河崎三行Sangyo Kawasaki
photograph byTadashi Shirasawa
posted2019/06/27 11:00
老若男女を問わず、ファンが詰めかけた台湾の予選会場。客席からのどよめきと歓声で、試合はますますヒートアップしていった。
日本予選の記録を上回る台湾のレベル。
昨年まで日本国内だけで争われてきたモンストグランプリは、今年からアジアチャンピオンシップに発展し、台湾と香港でも予選大会が行われることになった。台湾大会で使用される攻略ステージの種類は、九州大会、北海道・東北大会と同じものだったのだが、台湾のTRをトップ通過したチームのタイムは、驚くことに日本の両大会で叩き出されたそれを上回ったのである。
地元でアイドル的人気がある女性モンストインフルエンサーによるトークショーや、台湾プロ野球チームの名物チアグループが繰り広げたダンスパフォーマンスも終わった午後4時、いよいよTRを勝ち抜いた8チームによるバトルRound(BR)が始まる。
この頃になると、460人収容の会場は椅子席、立ち見を合わせぎっしり満員。この日話を聞く機会があった台湾eスポーツ協会の施文彬理事長が、
「台北は世界の主要都市の中で、eスポーツ大会の平均観客動員数が最も多いというデータがあります」
と語っていたが、それもうなずける盛況ぶりだ。
しかも彼ら、けた外れに賑やかなのである。BRの時点で開場から6時間以上が経過していたにもかかわらず、対戦開始のカウントダウンから大合唱となり、いざスタートすれば壇上のプレーヤーたちが放つひとつひとつのショットに敏感に反応してどよめきや歓声を上げるので、ライブハウスやスタジアムにいるかのような音圧に晒される。
日本の来場者はどちらかといえば特定の出場チームの応援客が多い印象だが、この予選には日頃から自分でモンストをやり込んでいるヘビーユーザーたちが集まり、双方の対戦チームと一緒になって楽しんでいるのが肌でわかるのだ。