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全米OPで意外な好スコアが続出。
ローズ、マキロイ、ケプカ、松山。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byGetty Images
posted2019/06/14 16:30
首位スタートに手ごたえを感じたコメントを残したジャスティン・ローズ。固いと言われたグリーンを見事に攻略した。
ジャスティン・ローズ「グッドスタート」
そのマキロイ以上に「グッドスタートが切れた」と満面の笑顔を輝かせたのは、6アンダー、65をマークし、単独首位で初日を終えたジャスティン・ローズ。
「ペブルビーチを65で発進」は、偶然にも、2000年大会を2位に15打差で圧勝したタイガー・ウッズとまったく同じ「最高のスタート」。そのことをローズは知っていたかと言えば、「うん、知っていた」と、さらに笑顔を輝かせ、ビッグスコアはパットの向上のおかげだと振り返った。
「数年前、ストロークを変えてシンプルにした。以前は考えすぎていたからね」
一生懸命、取り組んできたパットがモノを言い、この日は22パット。前半はイーグルもきっちり奪い、上がり3ホール連続バーディーで一気にリーダーボードの最上段へ浮上。
そのプレーぶりは、開幕前のケプカの言葉を借りれば、十分に「戦うに足る」見事なものだった。
ウッズは安定感を取り戻した?
それならば、メジャー16勝目が期待されているウッズは、どうだったのか。
マスターズでメジャー15勝目を挙げたものの、全米プロでは予選落ちしたウッズだが、べスページでは「原因不明の病気」で体調が悪かった。
この全米オープンは体調良好で迎えることができている。5月に事前に下見練習を行ない、今週は火曜日はパット練習に専念、水曜日は練習ラウンドと計画的に万全に備え、「いい状態」で初日に臨んだ。
予選落ちした全米プロの際は、開幕直前にウッズ経営のレストランの元バーテンダー(飲酒運転で事故死)の両親から訴訟を起こされ、精神的な動揺が見られた。
だが、今大会の開幕前、すでにウッズの法務担当チームは「(ウッズ側に)監督責任はなかった」と主張。もちろん裁判はまだ途上ではあるが、スタンスが決まったことで、ウッズの精神面は先月より格段に安定していると考えていいだろう。
4番でバーディーを先行させたものの、パー3の5番でティショットを大きく左にひっかけ、ダブルボギーを喫したのは痛手だった。だが、すぐさま6番、7番を奪い返した巻き返しは、さすがだった。後半はバーディーが1つも奪えなかったが、ボギーも1つも叩かなかった。
ウッズ独特のフィストパンプは、14番のパーパットを沈めた際の1度だけ。1アンダー、70、28位タイ発進となった。
それは、ウッズにとって最高のゴルフではなかった。だが、「よくこらえたと思う。全米オープンを戦う典型だね」と我慢のゴルフに手ごたえを感じ取り、明るい笑顔を見せた。